空き家・活用

実家の空き家を貸すには|賃貸活用のメリット・デメリットと始め方

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

親が施設に入った、あるいは亡くなって、誰も住まなくなった実家。「売るのは寂しい」「いずれ自分か子どもが使うかもしれない」——そんな思いから手放せずにいる方は少なくありません。とはいえ、空き家のまま放っておけば固定資産税はかかり続け、建物は傷み、草木は伸び放題に。そこで選択肢のひとつになるのが、「売らずに貸す」という活用方法です。

貸せば家賃収入が入り、人が住むことで家も傷みにくくなります。一方で、リフォーム費用や空室のリスク、管理の手間といった現実的な負担もあります。この記事では、実家を賃貸に出すメリットとデメリット、必要なリフォーム、始め方の流れ、そして「貸すのに向く家・向かない家」を、できるだけ具体的に整理します。なお金額や制度は地域や物件で大きく変わるため、あくまで目安として読み、最終的な判断は不動産会社や専門家にご相談ください。

手放すか迷う実家を、無理に空けておく必要はありません。貸すという道もあると知るだけで、肩の力が少し抜けます。

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実家を貸す主なメリット

まずは「貸す」ことで得られるものを整理しましょう。最大の魅力は、毎月の家賃収入が得られることです。空き家は持っているだけで税金や維持費が出ていく一方ですが、貸せば収入に変わります。固定資産税や火災保険料といった固定費を、家賃でまかなえるケースもあります。

もうひとつ見落とされがちなのが、人が住むことで建物が傷みにくくなるという点です。家は使われないほど劣化が早く進みます。空気がこもり、水回りが乾き、湿気がたまることで、カビや配管トラブルが起きやすくなるのです。入居者がいれば日常的に換気・通水され、不具合も早く気づけます。さらに、「売る・残す」の最終判断を先送りにできるのも利点です。今は決めきれなくても、貸しながら数年かけて家族で話し合うという選択ができます。

知っておきたいデメリットと負担

良い面だけでなく、現実的な負担も正直にお伝えします。第一に初期費用です。長く空き家だった家は、そのままでは貸せないことが多く、クロスの張り替え、水回りの補修、設備の交換などに費用がかかります。規模によって数十万円から数百万円とケースによる差が大きく、回収には年単位の時間がかかることも珍しくありません。

第二に空室リスク。立地や築年数によっては、なかなか借り手がつかないこともあります。家賃が入らない間も、税金や管理費は出ていきます。第三に管理の手間です。設備が壊れれば修理対応、家賃滞納や近隣トラブルへの対応も必要になります。遠方に住んでいて自分で対応できない場合は、管理会社への委託料(家賃の5%前後が目安とされます)も見込んでおきましょう。加えて、家賃収入は原則として確定申告の対象になります。これらは制度や状況によって変わるため、税務署や税理士など専門家への確認をおすすめします。

貸すかどうかは「家賃がいくら取れそうか」だけで決めないでください。リフォーム費用・空室期間・管理費・税金を差し引いて、手元にいくら残るかという視点が大切です。収支が厳しいなら、「売る」「解体して土地活用」など別の選択肢のほうが合うこともあります。

貸す前に必要なリフォーム・準備

「どこまで直せばいいのか」は、多くの方が迷うところです。すべてを新築同様にする必要はありません。借り手が「ここで暮らせそう」と感じられる最低限を、優先順位をつけて整えるのが現実的です。一般的には、水回り(キッチン・浴室・トイレ・給湯器)壁紙・床の状態が入居判断を大きく左右します。雨漏りやシロアリ、傾きなど建物の安全に関わる問題があれば、ここは費用をかけてでも先に直すべき部分です。

一方で、内装の好みに関わる部分は、入居者がDIYで手を加えることを前提に「現状のまま安く貸す」という方法もあります。残置物(家具・仏壇・生活用品など)の片付けも、貸し出し前の大きな作業です。費用と手間を抑えるには、どこを直しどこを残すかを、依頼する不動産会社と相談しながら決めると失敗が少なくなります。

「うちの実家は貸せる状態?」「どこまで直せばいい?」と迷っている方へ。
物件の状況をお聞かせいただければ、進め方を一緒に整理します。相談は無料です。

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実家を貸し出すまでの流れ

初めてでも、手順を分けて考えれば難しくありません。代表的な始め方は次のとおりです。

  1. 名義と権利関係を確認する

    相続した実家の場合、名義変更(相続登記)が済んでいるかをまず確認します。共有名義のときは、貸すことについて相続人全員の合意が必要になります。ここが曖昧だと後でもめやすいので最初に整理します。

  2. 不動産会社に相談し、家賃の目安を知る

    賃貸に強い地元の不動産会社に相談し、周辺の家賃相場や貸せる見込みを聞きます。複数社に当たると、相場感とリフォームの必要度をつかみやすくなります。

  3. リフォーム範囲と予算を決める

    「いくらかけて、いくらで貸し、何年で回収するか」を試算します。費用をかけすぎると回収できないため、収支のバランスを見ながら範囲を絞ります。

  4. 貸し方(管理形態)を選ぶ

    仲介で入居者を探し管理は自分で行う方法、管理会社にまかせる方法、家賃保証のあるサブリース、入居者が手を加えるDIY型賃貸など、自分の手間と収支に合う形を選びます。

  5. 募集・契約・引き渡し

    条件を決めて入居者を募集し、契約・引き渡しへ進みます。契約条件や保険(火災保険・賃貸用の特約)も、このタイミングで不動産会社と確認しておきましょう。

貸し方の3タイプ ― 手間と収入のバランスで選ぶ

同じ「貸す」でも、やり方によって手間と手取りは変わります。代表的なのが次の3つです。不動産会社に管理を委託する方法は、入居者対応や集金をまかせられるので、遠方に住む方や本業がある方に向きます。手数料がかかる分、手取りは減りますが手間は最小限です。

サブリース(一括借り上げ)は、業者が物件を借り上げて転貸する仕組みで、空室でも一定の家賃が入る安心感があります。ただし保証賃料は相場より低めに設定され、契約期間中に賃料が見直される場合もあるため、条件をよく確認する必要があります。DIY型賃貸は、入居者が自分で内装を手直しすることを認める代わりに、貸主のリフォーム負担を抑えられる方法です。古い実家を「現状のまま安く貸したい」場合に相性が良い一方、原状回復のルールを契約で明確にしておくことが欠かせません。どれが正解ということはなく、ご家庭の事情と物件次第です。

貸すのに向く家・向かない家

最後に、判断の目安をお伝えします。一般に貸しやすいのは、駅やバス停、スーパー、学校などが近く生活利便性が高い立地、建物の傷みが少なく大きな修繕が要らない家、間取りが現代の暮らしに合っている家です。需要のあるエリアなら、多少古くても借り手は見つかりやすい傾向があります。

反対に、交通や買い物が不便で人口減少が進む地域、雨漏り・シロアリ・耐震性など安全に関わる問題を抱え修繕に多額がかかる家は、貸しても収支が合わないことがあります。その場合は無理に貸さず、「売却」「解体して土地として活用」「自治体の空き家バンクに登録」といった別の道のほうが、結果的に負担が軽くなることも。どの選択が自分の実家に合うかは、立地・建物の状態・家族の希望をあわせて総合的に判断することが大切です。迷ったときは、ひとりで抱え込まず早めに相談してください。

「貸すか、売るか、まだ決められない」——それで大丈夫です。
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