住み替え・施設

高齢の親の引っ越し業者の選び方|施設入居・住み替え時の進め方

📖 読了目安:約7分 🗓 更新日:2026年6月

親が施設に入る、あるいは子どもの近くへ住み替える——そう決まったとき、意外と大きな壁になるのが「引っ越し」です。長年暮らした家には、何十年分もの荷物が詰まっています。新しい住まいが施設の個室やコンパクトな住居であれば、その大半は持っていけません。「何を残し、何を手放すか」を決めるだけでも、本人にとっては相当な負担です。

さらに、高齢の親の引っ越しは、若い世代の引っ越しとは勝手が違います。荷物が少量だったり、当日に本人が動けなかったり、不用品の処分とセットで考える必要があったり——通常の引っ越し業者選びとは別の視点が求められます。この記事では、荷物の絞り込み方/高齢者・少量荷物に対応する業者の選び方/不用品処分との組み合わせ/費用の目安/本人の負担を減らす当日の進め方を、順を追って整理します。あくまで一般的な目安なので、最終的な判断は各業者の見積もりや自治体の窓口で確認してください。

親御さんの引っ越しは、荷物も気持ちも整理がいるものです。一度に抱えず、できることから順番に進めていきましょう。

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まず「持っていく荷物」を絞り込む

引っ越し業者を探す前に、やるべきことがあります。それが荷物の絞り込みです。施設の個室はベッドと収納がある程度で、持ち込める量は限られます。住み替え先がアパートやサービス付き高齢者向け住宅でも、実家の全荷物が入ることはまずありません。まずは「新居に置けるスペース」から逆算して、持っていく物を選ぶのが基本です。

このとき大切なのは、本人の気持ちを置き去りにしないことです。家族から見れば「いらない物」でも、本人にとっては思い出の詰まった大切な品かもしれません。一方的に処分を進めると、本人が住み替えそのものに抵抗を示すこともあります。時間に余裕を持ち、本人と一緒に少しずつ仕分けていく姿勢が、結果的にスムーズな引っ越しにつながります。

  1. 新居の収納サイズを先に測る

    施設や新居の収納・居室の広さを確認し、「ここに入る分だけ」という上限を決めます。基準があると、迷ったときの判断がしやすくなります。

  2. 「毎日使う物」から先に確保する

    普段着・薬・眼鏡・身の回り品・愛用の食器など、生活に欠かせない物を最優先で残します。これだけは確実に新居へ、という核を作るイメージです。

  3. 思い出の品は「数を決めて」残す

    写真・手紙・記念品などは、すべては持てなくても「アルバム◯冊まで」と数を決めれば本人も納得しやすくなります。デジタル化して残す方法もあります。

  4. 家具・家電は新居の備え付けを確認する

    施設や住み替え先に備え付けがあれば、大型の家具・家電は持っていく必要がありません。重複する物は処分や譲渡の対象として早めに振り分けます。

  5. 残りを「処分・譲渡・保留」に分ける

    持っていかない物は、処分する物・人に譲る物・判断を保留する物に仕分けます。保留が多すぎると進まないので、保留にも期限を設けるのがコツです。

高齢者・少量荷物に対応する業者の選び方

荷物の量が見えてきたら、業者選びです。高齢の親の引っ越しでは、「大手で安いから」だけで選ぶと合わないことがあります。たとえば施設へ持ち込む荷物がダンボール数箱と少量の場合、通常の引っ越しプランでは割高になりがちです。こうしたケースでは、少量荷物に対応した「単身パック」「少量便」などのプランや、高齢者の住み替えに慣れた業者を選ぶと、無駄が減ります。

確認しておきたいのは、荷造り・荷ほどきを任せられる「おまかせプラン」の有無、当日の立ち会いを家族が代行できるか、エレベーターのない建物や狭い通路への対応、そして見積もりが明朗かどうか、といった点です。複数社から相見積もりを取り、料金だけでなく対応の丁寧さも比べてください。高齢者対応を掲げる業者の中には、家具の配置や生活動線まで配慮してくれるところもあります。

業者を選ぶ前に、「誰が当日に立ち会うか」「荷造りは誰がやるか」を家族で決めておきましょう。本人が遠方の施設へ先に入る、当日は体調が不安——といったケースでは、荷造りから運び出しまで任せられる「フルおまかせ」が安心です。ただし任せる範囲が広いほど費用は上がるため、予算と相談しながら線引きするのがポイントです。

不用品の処分は引っ越しとセットで考える

高齢の親の引っ越しでは、「持っていく物」より「手放す物」の方が圧倒的に多くなりがちです。長年住んだ家には、使わない家具・家電・大量の衣類・食器などが残ります。これらを引っ越しと切り離して別々に手配すると、手間も費用もかさみやすくなります。引っ越し業者の中には不用品の引き取りや処分を一緒に請け負ってくれるところもあり、まとめて頼めば一度で片づくケースがあります。

ただし、業者による引き取りが必ずしも最安とは限りません。まだ使える家電はリサイクルショップや買い取り、自治体の粗大ごみ回収を使った方が安く済む場合もあります。家電リサイクル法の対象品目(テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど)は処分方法が決められているため、自治体や販売店の案内に従ってください。実家を空き家にする場合は、残った物の整理がそのまま生前整理・遺品整理に近い規模になることもあるので、専門業者への相談も選択肢に入ります。

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費用の目安と見積もりの取り方

引っ越し費用は、荷物の量・移動距離・時期・依頼する作業範囲によって大きく変わります。少量の荷物を近距離に運ぶだけなら数万円程度で収まることもあれば、家具・家電一式を遠方へ運び、荷造りや不用品処分まで含めると数十万円規模になることもあります。あくまでケースによって幅が大きいため、ここで挙げる金額は目安として捉え、必ず複数社から見積もりを取って比較してください。

費用を抑えたいなら、繁忙期(年度替わりの3〜4月など)を避ける、平日を選ぶ、荷物を事前に減らしておく、といった工夫が効きます。見積もりを取るときは、「不用品処分も含むか」「荷造り・荷ほどきはどこまでか」「追加料金が発生する条件は何か」を必ず確認しましょう。口頭の概算だけでなく、書面の見積書で内訳を出してもらうと、後から「聞いていない費用」が増えるトラブルを防げます。

本人の負担を減らす当日の進め方

引っ越し当日は、想像以上に体力と気力を使います。高齢の親にとっては、慣れた家を離れる寂しさや、新しい環境への不安も重なります。本人を当日の作業の中心に置かないことが、負担軽減の基本です。荷物の運び出しや配置は家族と業者に任せ、本人には落ち着いて過ごせる場所を用意しておきましょう。場合によっては、本人は前日や別日に新居・施設へ先に移動し、引っ越し作業の喧騒に立ち会わない段取りも有効です。

新居に着いたら、まず使う物(薬・身の回り品・寝具)をすぐ出せるようにしておくと、初日から安心して過ごせます。家具の配置はできるだけ元の家に近づけると、認知機能が低下している方でも戸惑いが少なくなります。引っ越しは一日で終わっても、新しい環境に慣れるには時間がかかります。焦らず、本人のペースに寄り添ってあげてください。判断に迷うことが出てきたら、ケアマネジャーや地域包括支援センター、施設の相談員など、身近な専門家に相談するのが確実です。

「親の引っ越しと施設入居、何から準備すればいい?」というご相談を多くいただきます。
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