「親が亡くなって実家の片付けをしなければならないが、どこに頼めばいいのか、費用はどのくらいかかるのか、まったく見当がつかない」——そんな状況で検索してここにたどり着いた方が多いと思います。
遺品整理は、悲しみのなかで時間的なプレッシャーもある状況で進めなければならない作業です。費用の目安が事前にわかっていれば、業者に問い合わせる心理的なハードルが下がります。この記事では、間取り別の費用相場・費用を左右する要素・業者の選び方・費用を抑えるコツを順番に解説します。
遺品整理と「不用品回収」「ゴミ屋敷清掃」は、似ているようで根本的に異なるサービスです。この違いを知らずに依頼すると、必要なサービスを受けられなかったり、費用が大きくずれたりすることがあります。
| サービス | 主な対象 | 供養・仕分け | 貴重品対応 |
|---|---|---|---|
| 遺品整理 | 故人の遺品・家財全般 | あり(お焚き上げ等) | 丁寧に仕分け |
| 不用品回収 | 処分したい大型家具等 | なし | 対応しないことが多い |
| ゴミ屋敷清掃 | 大量のゴミ・廃棄物 | なし | 基本なし |
遺品整理の最大の特徴は、「ただ捨てる」のではなく、故人の遺品を丁寧に仕分けし、遺族の意向を確認しながら進める点にあります。通帳・印鑑・現金・契約書類といった重要書類が紛れていることも多く、専門業者はこれらを見落とさないよう注意を払います。また、仏壇や位牌などをきちんと供養する「お焚き上げ」サービスが含まれているかどうかも、遺品整理業者を選ぶ際の重要な確認事項です。
ポイント:「実家の不用品を捨てたい」だけであれば不用品回収で足りますが、「親が亡くなった・施設に入った後の実家の整理」であれば、遺品整理専門業者への依頼が適切です。
また、ゴミ屋敷化してしまった実家の清掃費用については別記事で詳しく解説していますが、遺品整理と同時にゴミ屋敷清掃が必要なケースでは、費用が大きく上乗せされることがあります。見積もり時に状況を正直に伝えることが重要です。
遺品整理の費用は、部屋の広さ(間取り)と荷物の量によって大きく変わります。以下の表は、標準的な荷物量の場合の全国相場です。
| 間取り | 費用相場 | 作業人数の目安 | 作業日数 |
|---|---|---|---|
| 1R・1K | 3〜8万円 | 2〜3名 | 半日〜1日 |
| 1LDK・2K | 8〜15万円 | 3〜4名 | 1日 |
| 2LDK・3K | 15〜25万円 | 4〜5名 | 1〜2日 |
| 3LDK | 25〜40万円 | 5〜6名 | 1〜2日 |
| 一軒家(4LDK以上) | 40〜80万円 | 6〜10名 | 2〜3日 |
※上記は標準的な荷物量での目安です。荷物が極端に多い場合や特殊品(ピアノ・金庫など)がある場合は上振れします。買取がある場合は費用を相殺できます。
たとえば、親が40年以上住んでいた一軒家の場合、押し入れや物置にびっしりモノが詰まっているケースが多く、費用が80万円を超えることもあります。逆に、シニア向けマンションの1LDKであれば荷物が少なく、8万円台に収まることもあります。
親御さんの品物を前に手が止まってしまうのは、それだけ深い思いがあるからです。急がなくて大丈夫ですよ。
同じ間取りでも、見積もり金額が業者によって大きく異なることがあります。その理由は、以下の5つの要素が費用に大きく影響するからです。
最も基本的な要素です。長年住んでいた実家は荷物の量が多く、費用が上がります。特に大型家具(タンス・ベッド・ソファ)、家電製品(冷蔵庫・洗濯機・エアコン)は廃棄時にリサイクル料が別途かかる場合があります。ピアノや金庫は特殊品として別料金になることが多いです。
業者の拠点から遠い場所は交通費・人件費が上乗せされます。また、マンションの高層階でエレベーターが使えない場合や、搬出路が狭い古い住宅では、作業に時間がかかるため費用が増加します。「エレベーターあり・1階」の場合と「エレベーターなし・4階」では1〜3万円程度差が出ることもあります。
通帳・印鑑・現金・貴金属・有価証券・重要書類が大量にある場合、仕分け作業に時間がかかります。遺品整理業者は「わからないものは捨てない」姿勢が基本ですが、丁寧に確認してもらえる分、作業時間と人件費がかかります。重要書類の確認代行を別オプションとして請求する業者もいます。
仏壇・位牌・写真・ぬいぐるみなどをお焚き上げ(供養)するサービスが含まれているかどうかで費用が変わります。供養を丁寧に行う業者は費用がやや高めですが、「ただ捨てられる」ことへの心理的な抵抗感が減ります。供養込みか、処分のみかを最初に確認しておくことが重要です。
賃貸物件の明け渡しや、相続手続きのタイムリミットがある場合、急ぎの依頼では「特急料金」がかかることがあります。逆に、日程に余裕があれば業者の都合の良い日に合わせてもらえるため、費用を10〜20%ほど抑えられるケースもあります。急いで決める必要がないなら、複数社に見積もりを取る時間をとりましょう。
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遺品整理業界は残念ながら悪質業者が存在します。「格安」をうたいながら、当日に追加料金を請求してくる業者や、買い取り品を不当に低く評価する業者に注意が必要です。信頼できる業者を見極める3つのチェックポイントを紹介します。
遺品整理で出るゴミを処分するには、「一般廃棄物収集運搬業の許可」が必要です。この許可を持たない業者は、廃棄物を適切に処理できず、不法投棄につながるリスクがあります。業者のWebサイトや見積書に許可番号が明記されているか確認しましょう。また、「遺品整理士認定協会」に加盟している業者は一定の倫理基準をクリアしているため、参考になります。
「作業一式〇〇万円」というどんぶり勘定の見積もりを出す業者は要注意です。信頼できる業者は、「荷物の搬出:〇〇円」「廃棄処分費:〇〇円」「供養費:〇〇円」のように項目別に明細を出します。見積書を確認したうえで、不明な項目があれば必ず質問しましょう。
「当日になって追加費用を請求された」というトラブルは多発しています。事前に「この見積もりから追加が発生する条件はありますか?」と聞いておくことが重要です。「見積もり後に追加費用は一切発生しない」と明言する業者、または「追加発生条件が具体的に明示されている業者」を選びましょう。
要注意サイン:チラシ配布や電話営業で「格安!今すぐ対応!」と勧誘してくる業者、現場を見ずに電話だけで「○万円でできます」と即答する業者、見積書を出さずに口頭だけで進めようとする業者は避けることをおすすめします。
費用のことが気がかりで踏み出せないときは、まず相場を知ることから始めてみませんか。それだけで心が少し軽くなります。
遺品整理の費用を抑える最も効果的な方法は、遺品のなかから買取できるものを相殺してもらうことです。遺品整理業者のなかには「買取サービス」を兼ねている業者があり、買取額を整理費用から差し引いてくれます。
買取と整理を同時に依頼できる業者を選ぶと、手間が一度で済むうえ、費用の相殺ができて実質的な出費を抑えられます。一方で、買取額の査定を他の専門業者に別途依頼することで、より高額になる場合もあります。価値が高そうな品が多い場合は、整理業者の査定に加えて、骨董品・ブランド品専門の買取業者にも相見積もりを取ることを検討してください。
業者選びの詳細については遺品整理・不用品回収業者の選び方ガイドもあわせてご覧ください。
「自分で業者を探すのは不安」という方に向けて、実家SOSでは信頼できる遺品整理業者の紹介を行っています。複数社に問い合わせる手間なく、安心して依頼できる業者とつながることができます。
実家の片付けには、遺品整理だけでなく空き家の活用・売却といった判断も関わってきます。実家が空き家になった場合の対処法についても、合わせてご確認ください。
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